2011年3月22日火曜日
(写真:自動化された旋盤)
相変わらずマニアックなネタになるが
数週間まえに無駄に旋盤を自動化してみた。
というのもダボ(鉄を削り出してつくるパーツ)の依頼が
来たため。
(これが完成品ダボ。スチール製)
通常のダボは50mmくらいだから
そんなに作るのは大変ではないが依頼品は特注品
100mm程度が16個。これは人力では少々キツい..。
「旋盤」を知らない人の為に一応解説すると、
旋盤とは棒材を横にくわえてくるくる回しながら棒を削っていく
工作機械のこと。大根をモーターに取り付けてスイッチオン、
両手で包丁を持って桂剥きをする、と想像してもらうのが良いだろう。
そしてこの旋盤、1/15mmの精度が追求できたりもする優れもの
なのだが加工品が大きい、もしくは長いほど加工に時間がかかる。
大根の桂剥きも2mm厚で行えばすぐだが0.2mmで行えば
相当な時間がかかる事だろう。
ハイスペックな旋盤なら鉄を一気に2mm厚で桂剥きしたりできるが
ウチのはオモチャ中のオモチャ旋盤。せいぜい0.15mmずつが限界である。
(ざっくり図解するとこんな感じ)
y方向0.1mmずらしてはx方向100mmくりくりつまみをまわして
またy方向0.1mmずらしてはx方向100mmくりくりの繰り返し。
こんな事を16個行ううえにφ18mmの鉄棒をφ12mmまで削るとなると
莫大な時間がかかるので「自動でこの作業をこなすよう改造した」という話し。
↓もっとマニアックになります。
という事で改造に着手。
この旋盤、東洋アソシエイツ社「ks-200」というモデルなのだが
けっこう改造ベースオモチャとして使用されているらしくCNC化を
する方がいるみたいです。CNCというのはComputer Numerical Control
のことでコンピューターでいろいろ制御して機械をコントロールするもの。
全ての加工工程を数値で作ってx、yのつまみの代わりに
ステッピングモーターを取り付けてPCからの制御データを
送って加工する、というらくちん仕様である(こんな説明でいいのか..。)
ただしこうしてしまうとつまみを取り外しモーターをがっちり据え付ける事に
なるので「手作業によるざっくり試作」や「アートこけしを作りたい!」
などのファジーな要望に応える事が若干面倒になるのでウチでは即却下。
マニュアル動作も行えた方が断然いいという結論にいたり。
考えた仕様は
●x方向は電動でつまみを回し往復させ続ける。
●y方向はx方向が一往復したらちょっと回る。
●全てが5秒以内に取り外せる。(これが実は一番重要!)
という事で改造開始。
用はつまみのついたネジをモーターで回せばいいという事なので
ネジを回せそうなスポットを探す。というよりは着脱性を考えると
つまみをモーターで回すようにした方がはやい。
(改造ポイント:説明が難しかったので図解でショートカット)
改造箇所結構あったので図解。このつたない絵で伝わるのだろうか..。
要望があれば詳細写真取るが多分無いだろう..。
この構造だと一見精度が出なそうに見えるが実は結構出る。
一番左右されるのはマイクロスイッチの精度であったり。
注意点はいろんなノイズが出ているようなので基盤が誤作動したり
する危険があった。これはシールドケーブルを用いなるべく短く
作ることで改善された。
保安回路が入っていたりしないのが難点であるがまあその辺はおいおい。
コレによってかなり旋盤が楽になった。
全ての卓上旋盤に(多分フライスも)有効な方法だと思うので
是非みなさまやってみてください。
実は剛性アップの為に鉄フレームを溶接したりもしているのだが
それも要望があれば別の機会に..。(多分無い。)
という事でレビュー終わり。
2011年3月21日月曜日
今日は天気が良かったのと東日本大震災の
影響で気分が鬱屈していたので久しぶりに
バイクで出かけてみた。目的地はちょうど
夜に品川で現場作業があったのでそこに設定した。
節電の影響か20号は驚くべき闇に包まれていて
車もすくない。しかも都心へ近づくごとに
道路は闇を深めていき、その風景をみていると
普遍とも思えた近代日本になにがしかの
パラダイムシフトが起きた感を感じずにはいられなかった。
たった一度の天災でこうも町並みが一変するものかと、
ティーン時代に走ったあの道はもう無い。そんな
感情が闇を伝って入ってくる。
現場を終えて帰路につくがガソリンが若干少ない。
ガソリンも今やなんとも希少なものになっていて
20L給油するのに2時間も並ばなければならない状態だ。
とりあえず出発前に入念に磨き上げられた
愛車「シグナス125D」にまたがり「大丈夫だろう」と
腹をきめて品川から福生に向けて出発する。
しかしながら楽観的な考えとは裏腹にみるみるガソリンは
減ってゆく。
中原街道、環七をパスして甲州街道を突き進み調布、府中
と来たところでフューエルインジケータはほとんど底を
ついた。さすがに青ざめたがこの数日間夜中に営業をしている
ガソリンスタンドなどほとんど存在しない。
もはや石油資源はレアーな存在で金さえだせば手に入るような
甘い時代ではなくなっているのだ。このときすっかりあきらめがつき
行けるとこまでいってガス欠になったら押して帰ると決め、
残りのガソリンを可能な限りセーブするため全神経をアクセル
の開きと数個先の信号に傾け。先を急ぐ。
スクータのガソリン消耗は主にスタート時と無駄なアクセルの
開け閉めであるから必要最小限となるようアクセルに神経を注ぎ、
一つ先、またその一つ先と信号の流れに注意を払って
尊いガソリンを一滴でも消費しないよう、頭のうえから足の先まで
愛車と一体になり少しでも空力を抑えるよう背中を丸め、
国立、立川をこえる。すこしでも回転数を安定させ、エギゾーストノート
を絶やさぬように、闇を日本刀で切り裂くように、針のように風を突き抜けるように。
昭島を越えいよいよ東京環状にさしかかり下がりきった燃料系を
頭の中で引きちぎり自分の魂をフューエルタンクに注ぎ込む感覚で、
長蛇の発端となるガソリンスタンドなど目もくれず、先へ先へと気分をおいてゆく。
拝島橋を越え、とうとう最後の交差点にたどり着いたときには
とても言葉では言い表せない充実感が私と愛車を包んだ。
いつもの駐車場にいつもどおりにマシンを滑り込ませてエンヂンの
火を落とす。私は今、この瞬間に無くなってもかまわない。
そんな気分でイグニッションをおとした。
2011年3月10日木曜日
2011年3月6日日曜日
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