高嶺格のクールジャパン展を視察。
というのも少し作品制作を手伝っていたので
一応の確認も含め。
何の気なしに見に行ったのだが本当に素晴らしいインスタレーションだった。
日本人のアートにおける性質上どこか奇をてらったりお客を
呼べるようなどちらかというとタレンテッドな作家が好まれたりすると思っている。
この展示は表向きの派手さはないけれど(いや、あるか、、)
というか正直「素晴らしい」という言葉が的確なのか
わからないが311以降、日本は確実に前と後で変わってしまっていて
自分はどちらかというとその変化がとても得体の知れない恐ろしいもの
に思えてなるべく関わらないように努めてノンポリを振舞ってきた。
高峰さんの作品はなんだかそんな自分の弱い部分にじわじわと
染み込み心臓をガッと握られるような感じである。
なぜ作家は311以降の事象をモチーフにしなければいけないか?
という自問がどうも自分につきまとっていたが自分の制作に
置けるモチベーションは自分と外界との間に感じるズレを何かを作ることで
埋めて行くような、パズルを埋めて行くようなそんな作業であり
今あらためて思うと311以降、埋める穴が果てしない溝になっていて
それは海の向こうの出来事か全く別世界の出来事に思えていたのだと思う。
遠くてよく見えなかったものが高峰さんの作品を通してすぐ目の前に
やってきてしまって、観賞後の自分は直面する問題と向き合うざるおえない。
多分これが表現力というやつで、いくら言葉をこねくり回したところで
到底太刀打ちできないような情報量が一気に流れ込み、瞬時に頭の中にある
感情のスイッチをぱちんと入れてしまう。
自分の考えるアート感はまさにそのスイッチを入れる行為であり、
インスタレーションという一度きりのサイトスペシフィックな空間で
的確に作品をその水準に持ってくる高嶺格にプロの仕事をみた。
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