2010年3月30日火曜日


(写真:ボデー仮組み)

大枠は出来て来た。
しかしアクリルってのはナンだな。
かなり気を使うから苦手だ。
穴あけも切り出しも磨きも
全ての行程で傷が入るから困ったもんだ。
最近では皆さんレーザーカットで
済ますみたいだけどウチにはそんなものない..
それにレーザーに依存し始めると形が
それっぽくなってしまう(気がしてる..)。
最近の工業製品は近代マシン加工による
モノが多くて形がにたりよってるところも
否めなく、結局合理化を追求するとだいたい同じ
形に落ち着くのである。
一つの手段、選択肢として近代マシンを使えるくらいの
余裕が持てたら使っても良いかな、
なんて
考えながらガシガシとヤスリをかけるのである。
レトロデザインを賛美するつもりは全くないのだが、
限られた選択肢の中で出来上がる至高のデザインという
ものはきっと職人による鮮やかな工夫やセンスの賜物でいて
このあたりの話しは今和次郎氏の「ブリキ屋の仕事」に
詳しい。関係ないけどやっぱり「パナソニック」より
「ナショナル」の方が自分としてはしっくり来る。
まあそれはまた今度じっくり考えるとして、今回の「歌う扇風機」。
今回のキモはモーターの「メカノイズ」でいて
普段静かなモーターは結構探すのだがうるさいモーターを
さがすということは始めてだ..。
ていうかうるさいモーターをさがす人なんていないようで
全然情報がない..。
というわけで経験上今まで一番うるさかったモータ
「タミヤRS-540スポーツチューン」をチョイス!
(田宮さん、ディスってるわけではないです。)
しかプロペラが大きすぎてイマイチモーターがトップスピード
に到達しない。
プロペラをつけなければ相当にウルサい..
(ディスってない。)
もっとうるさくないと楽器として成り立たないわけだ。
うーん、ギアボックスを入れるかな。
しかしこの作品写真映りわるいな..

2010年3月29日月曜日


(写真:バフがけパーツ)

パーツ、バフがけ。
鉄はつらいよ..
学研の課題、「歌う扇風機」を作るべく製作中。
PWMノイズで楽器を作る!というのは以前から
考えていて今回の課題で作る事に。
ピアノ型になるのでどうせならYOSHIKIばりの
クリスタルピアノにしようと画策。
というのも以前から試してみたかった手法があり
今回それをやってみようと思っての事でもある。
それはアクリルのサラダ油成形(?)で、
比較的大型で分厚いアクリルの成形法である。
以前書いた「熱成形」と同じなのだが
アクリルの融解温度は150~200度。
厚ものデカものに対しヒートガンやヒーターでは限界がある。
特に分厚いアクリルは結構難儀なので油で温めて
成形する!という手法を実践してみました。
という事でレビュー。

用意するものは
●材が入る大きさの鍋(今回は100均のオーブン用バット)
●サラダ油(まあなんでもOK)
●ガス台(カセットコンロでも多分ダイジョブ)
●アクリル材(今回は6mm厚)



まずはジグをつくる。
ここは任意の形で。今回はピアノ側面部分。



ジグにネル生地を当て込む。スプレーのり77で貼付け。
ネルの厚みも考慮してジグを作るべき。



バットに油をはり、温めつつ材を入れる。
今回使ったのはキャノーラ油であるが基本的に
何でもOKだと思う。
前述のとおりアクリルの曲げに必要な温度は
150~200度。
油の温度の見方は
温度計があれば一番良いが買うのもなんだったので
揚げ物のサイトで調べた。
さえ箸を鍋の底に当てて
●ちょろちょろ泡が出ると150度
●ふわふわでると180度
●どばどば出ると220度
らしい。
という事でそれを念頭に置きつつ。
何となく一気に熱を加えるとまずそうなので(なんとなく..)
ちょっと低めの温度から材を投入。
徐々に温めて融解点に達する作戦に出てみた。
注意すべきは油の温度上昇が場所により均一ではない点。
こまめにかき混ぜながら温度をあげて行く。
それと材をほっとくと火が当たる部分に
熱が集中するのでその部分だけ高温になってしまい
そこに気泡が出来てしまう。なので材も動かしながら
温めて行く。その間温度調節も行いつつ..(ほぼ弱火状態)



材がある程度ぺにょぺにょになったら
さえ箸で取り出しジグに当てて押す。
ラテックス手袋で取り出せるくらいの温度だったが
やけどにはくれぐれも気をつけてください。
形によってはしわを考慮しなければならないだろう。
今回はとくに気にせず。
ていうかすげー!面白いくらいに曲がる!!



ある程度ほっといてさめたらジグからはなす。
曲げるときにアクリルが伸びたりするので
少々大きめに作るのがベターだ。とくに曲げ部分が
分割点の場合は大きめに作っておかないと
キレイにアールがでない。
穴あけなどの加工は曲げた後にした方がよし。
という事で完成!
材料代¥1,000くらいだったが結構キレイに曲がるもんだ。
やはりキモはネルだな。傷一つつかない。
ていうかキズがついていても成形段階でネルに押し当てる
ことでもともとのキズが消える事もある。
かけてよし、置いてよし、当ててよし。
「ネル」、一家に一枚あるべき..
やってみた感じ10mm厚くらいまでは楽勝だと思う。
熱のまわりを丁寧に行えばもっとイケルとも思う。
意外に簡単なので是非ともやってみてもらいたいと思います。
でもくれぐれもやけどと火事には気をつけて!
安全第一!!!!
という事でサラダ油による熱成形レビュー、おわり。
ふー。



2010年3月19日金曜日

最近人に会いまくり。
こんな辺境の地にいるにも関わらず
ここ数日山のように打ち合わせがあった。
4月になると仕事が増えるのはだいたい例年どおり。
そろそろ本格始動してみる。
学研「大人の科学」で8bitマイコンが出るらしく
それの作例を作る事に。
Ardinoと完全互換のJapaninoなる今回の基盤。
ほかの面々をみるとMake;な方々ばかり...
こりゃあ面白そうだと作る事になりましたが。
しかしですよ、恥ずかしながら私はそれを
扱った事がない..というか現物初めて見た。
だいたい機械屋の自分がコンピューチングを
扱うなんておこがましいにもほどがある。
ということで10年来の師匠、
久世さんとコラボレーションする事に相成りました。
何せ久世さんは自他ともに認める「プロ」だ。
こいつはわくわくする。
きっとバカ機械屋の要求も持ち前の腕前と優しさで
すんなりカバーしてくれる事だろう。
いやー楽しみ。ということで製作開始。
それはそうと最近眠れない..
逆転しているわけでもなく眠いのに
眠れないわけである。
何となく理由はわかっている。
今進めているプロジェクトたちが
今から考えても楽しみでならないからだ。
その上企画を考えたりちょっと紙を切り抜いたり
などのデスクワークが多く体は全然疲れていない、
脳だけがギンギンという状態がきっと原因。
別に逆転しようがかまわない生活であるが、
なるべくならお天道様と同じ生活がしたい。
という事で今日はアガります。

2010年3月17日水曜日


(写真:メカニズムの辞典)

Pクラフツ完成!
結局また4足になってしまった..
でも動きはなかなか良い!
mini KIMURAにくらべ跳ねるような動き。
そのうち発表します。
今のところ2次元リンクしか使ってない。
クランクのカムという制約上構造が
だいぶ決まって来てしまうんですよね。
やはりここは3次元デビューすべくもう少し
リンクの認識を増やそうと思い買ってみた。
浅川博士著,機械バカのバイブル!
「機械の素」の現代版!!「メカニズムの辞典」。
ここいらで先人の教えを
乞うてみる。というか今更...
普通一家に一冊あるべきだよね。この著書。
それと久しぶりに士郎先生に会いに行った。
最近行っているプロジェクトに著作権やその他の
知識が必要と判断した為意見を聞きに行くべく
様々な伝説をもつ氏の経験と認識を
ぜひとも聞きたかったのである。
なかなか面白い話しを聞く事が出来た。
それよりも印象深かったのは氏の変わる事なき偏屈さである。
第一声の「何しに来た?」の一言もさることながら
芸術家として、事業化としての姿勢には目を見張るものがある。
自分の作品を守る事への知識、姿勢、プライドなどなどの
アーチストとして最近自分がやろうとしている事の
先人がここにいた、と思った。
というより偏屈な作家が生きて行くにはこういうこと
なんだろう。そんな事を士郎先生の話しを聞いていて感じた。
勉強になりました!

2010年3月15日月曜日


(写真:試作機たち)

試作進まず。
いやーなかなか進まん。
というか全くの平行線..
モチーフを決めると修羅りそうなので
イモムシ型にとらわれるのはやめよう。
そうだよ君、妖怪を作るわけだよ。
と考えると幾分か楽になる。
一つ思いついたのでまた明日試作。
うーん、かなり苦戦の予感。

2010年3月13日土曜日

新たなPクラフトを試作中。
ゼンマイシリーズはこれでようやく3体目。
今度のモデルはKIMURA史上初の
無足歩行(?)イモムシ型にしようと考えている。
うまくいくかは不明..
図面を引いている限り動きの想像がつかない。
明日から本格試作予定。

2010年3月12日金曜日


(yngdさんの看板)

いろいろやってる..
日誌は滞りがちだが作業は珍しく調子が良い。
先日の海外向けムービーはなんとか完成。
それに付随して英語版カタログも製作。
英語版カタログはなんだか自分で作ったような
気がしないほど面白い出来。

これを作っている最中、どういうわけか
いろんなことが見えてきた。

いつも見慣れた作品が全く別のものに見えてくる。
普段日本語にまみれた作品群が英語にまみれたとき
その作品を完璧に客観視できることがわかった。
自分の作品に対する哲学は何年もかけて
構築と再構築を繰り返すのだが、その際に
何となく言葉のカスのようなそんなものが
まとわりついていて時が経てばたつほど
そのカスに埋もれて本質がつかみづらく
なってくる。要は今まで言葉に頼りすぎて
いたのかもなと思った。
知らないうちに物体より言葉にとらわれ
すぐそこにあるものに盲目になっていたのかも。
今、かなりいい調子でやるべきことが見えている
気がする。とりあえずは7月までが勝負。
7月からみんなをニヤっとさせるモノができる
かも知れない。
そういえば写真はレストア依頼をうけたyngdさんの
看板。
それと"AboutKIMURA movie"(部分)
http://www.youtube.com/watch?v=PrTQddA67jM


2010年3月3日水曜日

映像が仕上がらん..
表現力の足らなさが完全に
明らかになっている。
というより全体的に表現力が
足りない。うーん..